魚って、獲れたてが一番おいしいの?

魚が一番おいしいときは、獲れてすぐ。
そう思っている人は多いです。
よくテレビなどで、漁船の上で獲れたばかりの魚をさばいて食べている光景を目にしますが、とてもおいしそうに見えていますよね。

ですが、魚の種類によっては、必ずしもそうとはいえない場合もあります。
魚の中には、少し時間を置いてからのほうが、美味しくなるものもあるんです。

魚をさばき始めてしばらくたつと、硬直が始まって、身が固くなります。さらに時間がたつほど、硬直は解けていって、また身がやわらかくなります。
魚にあるうまみ成分の一つ、イノシン酸は、硬直が始まって、その後やわらかくなっていく過程で発生します。
ということは、さばき始めてすぐの魚は新鮮ですが、うまみ成分はそんなに多くはない、ということになります。
獲れたての魚を刺身にしたときに、とてもコリコリとしていて、新鮮さを感じても、そんなに味がしない、と感じるときがありますが、この時には、うまみ成分がそんなに多くは、発生をしていない、ということなんです。
では、どのくらいの時間がたてば、硬直が解け、うまみ成分が増えていくのか、というと、それは魚の種類やサイズ、肉質などによって変わってきます。
アジやさば、イワシなどの小型の青魚については、硬直の始まりから終わりまでが早く、硬直が終わってからの足が早いため、獲れてすぐのほうが美味しく食べることができる魚です。
それと比べて、ひらめや鯛のような、大型の白身魚については、熟成するのにある程度の時間がかかるため、さばいてからすぐ食べてもうまみ成分が少ないです。
ただ、コリコリとした食感を楽しむのか、またはうまみ成分を楽しむのか、というのは個人の好みもあるため、どちらがいい、とはいえないです。